The Barley Diary
2025/06/15 10:54

車以外の乗り物を運転するのは、いつぶりだろう。
畑の中を、トラクターで右往左往していた日々がふとよみがえる。
あれから、ちょうど半年。
あのとき蒔いた麦は、すっかり背を伸ばし、
よく熟した穂は、そっと風に揺れて重たく垂れている。
コンバインを走らせると、
目の前に広がっていた長く伸びた麦がすうっと吸い込まれていく。
まるで金色のじゅうたんが、静かに巻き取られていくように。
刈り取りと脱穀を同時にこなすコンバインは、粒だけを大きなコンテナ袋へと詰めていく。
アームの先から流れ落ちる麦の粒にまじって、細かな麦わらがふわりと舞い上がり、陽の光の中でキラキラと光っていた。