Field “Tasting” Notes

2025/06/15 09:32

Archive: May  15, 2025
"Pear & Barley"
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ステンレスのタンクで熟成させたウイスキーをボトリングしてから、ひと月ほど経った頃、再び、mitosayaを訪れた。今度は、木樽で熟成させていたウイスキーをボトリングするためだ。

セラーに入るとひんやりとしていて、時間がすこしだけ、止まっているような感じがした。

その一角に、今回のウイスキーが眠っているオーク樽があった。

この樽は、もともと秩父の蒸留所でウイスキーの熟成に使われていたもの。mitosayaにやって来てからは、ル レクチエのブランデーを寝かせたのち、一年間、このウイスキーをゆっくりと育ててくれた。

ボトリングが終わるころには、窓の外がやさしい夕焼けに染まりはじめていた。小さなボトルに詰められたその液体は、まだ琥珀色には届かないが、洋梨のような淡い黄色が、窓辺の光にやわらかくにじんでいた。

この先、このウイスキーがどう育っていくのか。
もう少しだけ見届けたくなって、残った液体は小さな木樽へと移すことにした。

翌朝、東京に戻っていくつかの用事を済ませ、香川へ帰った。

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