The Barley Diary
2025/06/14 17:32
多田隈さんから「麦の水分が10%代まで下がった」との連絡が入った。
佐賀に戻る。
乾いた麦たちは、ドラムの中でさらさらと音を立てて転がっていた。
手に取るとほんの少しだけ温かかった。
根を取り除いて、紙袋に詰め直す。
一袋、また一袋と車に積み込んでいく。
思えば、最初に電話をかけた時は、ものすごく緊張していた。
けれど今は、ずっと前からの仲間のような不思議な親しさがある。
「ありがとうございました」
声に出してみると、胸の奥がふっと熱くなった。
感謝の言葉は、きっとまだ、言い足りないけれど、車に乗り込み、エンジンをかけた。
後部座席には、麦芽を詰めた紙袋が静かに並んでいる。
長い帰り道。
道の駅に立ち寄って、わらすぼの干物をおみやげに買った。