Field “Tasting” Notes

2025/06/14 12:50

作業がひと段落し、御子神さんの手が空いたタイミングで、
ウイスキーを熟成しているステンレスのタンクを開けてもらう。

タンクを覗くと、まるで水のような無色透明の液体で充されている。

ウイスキーの琥珀色は、じつは樽から滲み出してくるものだ。
樽に使われている木の成分が、ゆっくりと液体に溶け込み、深い色を与えていく。

だからこそ、長く寝かせるほどに色が濃くなっていくし、香りや味にもニュアンスが宿っていく。
もちろん、日本では色味の調整にカラメルを使うことも認められている。

けれど今回は、あえて、そのどちらでもない形も試してみた。

麦のまま、どこまで届くのか確かめてみたくなったからだ。

グラスに注ぎ、そっと口にふくむ。

原酒のアルコール度数は高く、舌にすこしピリッと刺激がある。
けれどその奥に、ふっくらとした甘さと、香ばしさがひろがっていく。

ああ、これはたしかに、私たちらしいと思った。

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