The Barley Diary
2025/06/13 20:12
ポン菓子といえば、昔は、空き地にポン菓子屋さんがやってきて、あのバズーカのような装置で目の前で「ポン!」と鳴らしてくれたそうだ。
自分はその光景をリアルでは見たことがないけど、 なんとなくその風景は想像できる。
つまり、ポン菓子づくりはノスタルジックな世界であり、今もバリバリ現役でポンしてます、という業者さんはそう多くないのである。
もちろん、お菓子メーカーなどに頼めば大量に生産してくれるけれど、今回はあくまで小ロットでの試作段階だ。
ネット検索していると、香川県内の比較的近いところに1件のポン菓子販売店がある。
車で30分ほど走らせ、たどり着いた。
店に入ると、ふわりと甘い香りが漂ってきた。
すでに先客がいて、持ち込んだお米でポン菓子を注文しているところだった。
ツヤツヤのポン菓子を受け取ったお客さんが、うれしそうに帰っていった。
次は自分の番だ。麦の入った紙袋を抱えて、おそるおそる「麦でもできますか」とたずねてみた。
おかみさんは、ちょっと申し訳なさそうな顔をして、
「数年前まではやってたんやけど、いまは麦、やってないんよ」
麦は米より粒が大きく、膨らませるにはより強い圧力が必要らしい。
その分、機械への負担も大きくて、いまはもう麦は受けていないのだという。
がっかりはしたけれど、仕方がない。
小さくお礼を言って、店をあとにした。