Field “Tasting” Notes

2025/06/13 19:24

Apr 15, 2025


さて、ポン菓子を作るには、どうしたらいいだろうか。

ポン菓子は、高い圧力を一気に解放することで、原料が急激に膨らみ、「パフッ」とした食感が生まれる。
一般的にはお米を使うことが多いけれど、調べてみると、麦や、さらにはマカロニやうどんでも作れるらしい。

ただ、ひとつ問題が。
手元にある麦には、まだ“もみ殻”がついたままだったのだ。
これを取り除き、いわば「玄米」ならぬ「玄麦」にしないと、ポン菓子には使えない。
いつも麦芽の根を取るのに使っている精米機にかければ大丈夫だと思っていたけれど、これは“玄米→白米”用の機械で、もみすりには対応していなかった。

もちろん、農家さんならもみすり機を持っているかもしれない。
でも「ポン菓子作りたいので」とお願いするのは、なんだか気がひける。

そもそも、米に比べて麦は自己消費することが少ないから、収穫した麦はほとんど“もみ付き”のまま出荷している。
だから実際、麦用のもみすり機を使っていない農家さんも多い。

どうしようかと悩んでいたとき、あるブログを見つけた。

「わざわざ瀬戸大橋を渡って、香川のコイン精米機で“もみすり”をした」という話。

まさか、香川にそんなものがあるとは。
よくよく調べてみると、
もみすりができるコイン精米機は、通常の精米機の100分の1ぐらいの割合しか設置されていない、
まさにSSR(スーパースペシャルレア)だった。

ナビを頼りに車を西に1時間走らせる。

ところが、オフィシャルサイトに載っていた住所には、精米機はなかった。

ブログの写真と、かすかな手がかりを頼りに、なんとか辿り着く。
精米機には「もみすり」の文字、さらには「SUPER」とも書かれていて、まるで自分が特別な存在だと自覚しているかのようだった。

コイン精米機を使うのは、これが初めて。田舎道を走るたびに見かけては、「誰が、どんな風に使っているんだろう」と不思議に思っていた。

百円玉を入れて、そっと麦を投入する。
ゴゴゴゴ……と重たい音を立てて、麦が吸い込まれていく。
数分後、出力口に紙袋を広げて待つ。パラパラ……と籾殻がとれた麦がこぼれ落ちてきた。

ほんのり黄金色で、光を反射するような、つややかな粒。


さあ、これでポン菓子を作る準備が整った。

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