The Barley Diary
2025/06/13 19:24

2025/2/25(晴れ)
まず、ポン菓子を作るにはどうしたらいいか。
ポン菓子といえば、一般的にはお米が使われることが多い。
しかし調べてみると、麦やさらにはマカロニやうどんでも作ることができるらしい。
原料に高い圧力をかけて一気に解放することで、急激に膨らみ、パフッとした食感が生まれるのだ。
ポン菓子を作るには、ひとつ問題が。
手元にある麦は、まだもみ殻がついたままだった。
これを取り除く”もみすり”を行い、玄米ならぬ、玄麦にしないと、ポン菓子には使えない。
いつも麦芽の根を取り除くのに使っている精米機にかければOKだと思っていたが、
これは“玄米→白米”用の機械で、もみすりには対応していなかった。
もちろん、農家さんならもみすり機を持ってるかもしれないが、「ポン菓子作りたいので」とお借りするのも、ちょっと気がひけるし、
米に比べて麦は自己消費することが少なく、収穫した麦はほとんどをもみ付きのまま出荷しているので、実際にもみすり機を使っていない農家さんも多い。
どうしようかと悩んでいたら、とあるブログを見つけた。
わざわざ瀬戸大橋を渡って、香川のコイン精米機で”もみすり”をしたという話。
まさか、香川にそんなものがあるとは。
よくよく調べると、もみすりできるコイン精米機は、通常の精米機の100分の1ぐらいの割合でしか設置されていない、
SSR(スーパースペシャルレア)だったのだ。
ナビを頼りに車を西に1時間走らせる。
オフィシャルサイトに記載された住所には、精米機は存在しなかった。
ブログの写真やなんとなくわかる情報をかき集めながら、なんとかたどり着いた。
精米機に「もみすり」の文字、さらには「SUPER」と記載されており、特別であることを自己認識しているようだった。
コイン精米機を使うのは、これがはじめて。
田舎道を走るたびに見かけるけれど、誰が、どんな風に使っているのか、いつも不思議だった。
百円玉を入れて、麦をそっと投入する。
ゴゴゴゴ……と、重たい音が鳴って、麦が吸い込まれていった。
数分後、出力口に紙袋を広げて構える。
パラパラ……と、籾殻がとれた麦がこぼれ落ちてくる。
少しだけ黄金色で、光を反射するような、つややかな粒だった。
さあ、これでポン菓子にする準備はできた。