The Barley Diary
2025/06/12 21:44

前回の反省点は、温度管理だった。
今回は、現在持っている手札の中で考えうる最適な場所——アトリエの中で発芽させることにした。
あわせて、新たに導入したのはSwitchBot製のデジタル湿温度計とハブ。通信機能を使ってリアルタイムで細かく温度を記録し、異常があれば通知してくれる。
DX化というには大げさだけど、ちょっとした相棒のような気持ちになる。
まずは給水。
10時間浸水、10時間乾燥、再び10時間浸水。
サンプルの麦500gが、1回目の浸水で600g、2回目で700gまで吸水した。
麦の粒も少しふっくらし、丸くなっている。
つぎは、発芽工程だ。
前回は氷点下に近い温度だったため、麦たちは完全に冬眠モードだったが、今回は室内のため、筵なしでも室温15度以上をキープすることができた。
1日目。
一部の粒から小さな根が出始めている。
前回より4日も早い。これはいい調子だ。
ただ、筵をかけていないぶん、上の層がやや乾き気味だったので、霧吹きで水を補う。
2日目。
すでに5ミリほどが出ている。
箱の中に麦を20センチぐらいの厚さで重ねていたからか、上と下の方で伸びる速度に差が出てしまっている。
前回同様、袋の上の方の麦は全然伸びてこないものもある。
温度管理もしっかりしているはずなのに。
不安を抱えながら、意識的に上下を入れ替えるように麦を混ぜる。
3日目。
麦が発芽のエネルギーにより30度近くまで温度が上がる。
さらに発芽のばらつきが出てきた。根が長い物は1センチ程度まで伸びている。
相変わらず、伸びていないものは伸びていない。
普段以上に水を含ませ、水分が全体に行き渡るように混ぜると、温度は20度前後まで下がり落ち着いた。
4日目。
温度は落ち着いたが、元気の良かったはずの麦の成長も止まっているように見えた。
根がこれ以上伸びる気配がない。
5日目。
これ以上待ってもあまり変化がなさそうで、
むしろここからは鮮度が落ちていくような気がして、発芽工程を終えることにした。
今回も失敗。
途中までうまくいったと思ったのに、発芽のばらつきは解消されなかった。
何がいけなかったのだろうか。
麦の量、水分量、空気の循環、温度、どこかに問題がありそうだけど、本を読んでも、ネットを探しても、「これだ」と言える正解には行きつかない。
試行錯誤しながら、また次の手を考えていくしかなかった。